新元号発表の4月1日までもうすぐ!みんなの新元号予想まとめ
間もなく発表!-平成から新元号へ-第4回
■新元号のローマ字表記は?
また、今回衆目の一致しているところは、新元号をローマ字表記した時に、明治(MEIJI)、大正(TAISHO)、昭和(SHOWA)、平成(HEISEI)の頭文字であるM、T、S、Hの文字とは重複しないように配慮して新元号が決定されるのではないかという点です。実際に、各種の書類には、生年月日の表記欄に「T・S・Hのいずれかを○で囲み…」という記述がよくありますので、この点は配慮されるのではないでしょうか? ちなみに、ローマ字表記が「I」で始まる新元号も、数字の1と混同しやすいので、新元号の対象からは除かれていると思われます。
■新元号の出典は日本の古典?
そして、今回の改元で最も注目されているのか、新元号の出典です。前回お話しましたように、これまで、元号の出典として用いられてきたのは、中国の古典である「四書五経」、すなわち『大学』、『中庸』、『論語』、『孟子』の四書と、『易経』、『書経』、『詩経』、『礼記』、『春秋』の五経でした。
今回は、もうこうした中国の古典ではなく、日本の古典の中から選んでも良いのではないかという見解が、各所から提出され報道されています。厩戸皇子(聖徳太子)の『十七条憲法』や、『日本書紀』以下の「六国史」、そして嵯峨天皇の漢詩など、様々な候補が掲げられています。
第52代・嵯峨天皇[延暦5(786)年~承和9(842)年…在位期間:大同4(809)年4月1日~弘仁14(842)年]は漢詩に秀でており、勅撰漢詩集『凌雲集』や『文華秀麗集』等に多くの詩を遺しています。また、能書家としても知られ、空海、橘逸勢(たちばなのはやなり)とともに「三筆」に数えられています。
■動き出す新元号
新元号は5月1日の新天皇即位と同時に使用されますので、4月中に発行される国民健康保険証の有効期限表記は「平成32年3月31日」となります。また、新元号名を記した硬貨が流通するのは7月頃とみられています。一方、市民生活の場では早くから新元号が躍動しそうです。大型連休中の5月3日・5日には、埼玉県春日部市(旧庄和町)で恒例の大凧揚げが行われますが、新元号名を描いた大凧の登場が既に発表されています。
■文/宮瀧 交二
大東文化大学文学部教授。学術博士。1961年生まれ。埼玉県立博物館主任学芸員を経て現職。大東文化大学のほか東京大学、東京女子大学、早稲田大学等で博物館学を講義。論文「博物館展示の記録化について」(『博物館研究』47-7)により、日本博物館協会・平成25年度棚橋賞を受賞。 監修に『元号と日本人』(プレジデント社)がある。
・宮瀧交二監修『元号と日本人』プレジデント社、2019年。
・所 功・久禮旦雄・吉野健一『元号 年号から読み解く日本史』文春新書、2018年。
・グループSKIT・編 『元号でたどる日本史』PHP文庫、2016年。
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